オンラインの話し合いがもたらす影響
コロナ禍でオンラインでの話し合いや打ち合わせが増えた。ほんの数分前まで異なる仕事をしていても、すぐに駆けつけることができる。
移動時間がないのでやりやすい反面、オンラインでの話し合いでドギマギしたことはないだろうか。
アイコンタクトが難しいことから、誰から何を話したら良いかわからなかったり、話すタイミングが被ってしまったり、沈黙が続いたり、、、
便利になったはずなのに、なぜか話し合うことが難しい場合がある。
知り合いならまだしも、初めましての方達ばかりだと話し合いに対する意味を見失うこともあるのではないか。
今回の参照記事で紹介されている教育研究者の大村はまさんの言葉にもあるように、一度話し合いの方向性を見失うとその後の立て直しは非常に難しい。
話し合いは「悪い癖」がついてしまいますと、まず直すことは不可能です。話し合いに対する興味を失い、その重要性を軽蔑するようになってしまいます。
話し合いなんて時間つぶしでつまらない。みんな聞いてもきいても黙っていて、何も言わない人がいるとか、愉しく話せないとか、話し合っても、結局は、自分で考えたのと同じだ。
話し合いがなくても、結局自分自分でやればいいんだ、とそういうふうになってしまいます。
(大村はま)
もちろん、かっちり決めすぎて場に余白がなかったり、一定のルールが設定されていないと、同じ人が喋り続けたり、全く話し合いに参加ができない人が出てきたりするのかもしれない。
よい話し合いを行うには、場のデザインが必要になってくるだろう。
オンラインの話し合いにおいて、気持ちの良い、居心地の良い沈黙だと思うことができるものが、良い話し合いの一つなのかもしれない。
中原 淳(なかはら じゅん)
立教大学 経営学部 教授。経営学習研究所 代表理事、最高検察庁参与、NPO法人カタリバ理事など。博士(人間科学)。企業・組織における人材開発・組織開発を研究。単著に「職場学習論」「経営学習論」(東京大学出版会)、「駆け出しマネジャーの成長論」(中公新書ラクレ)「フィードバック入門」(PHP研究所)、「働く大人のための学びの教科書」(かんき出版)などがある。立教大学経営学部においては、リーダーシップ研究所・副所長、ビジネスリーダーシッププログラム(BLP)の主査(統括責任者)をつとめる。
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