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思考の癖とコミュニケーション

厚生労働省によると近年は精神疾患により医療機関にかかっている患者数の増加が著しく、平成29年では400万人を超えている。中でもうつ病や社交不安障害(社交不安症・対人恐怖症)などの割合が高い。その原因には様々な環境があるだろうが、それぞれ物事のとらえ方や思考の癖というものも関係するのではないだろうか。

そんな精神疾患の治療に活用されている心理療法の一つに認知行動療法がある。

わたしたちは日常、物事を主観的に判断します。しかし、その判断には人それぞれ癖があります。例えばストレスを感じたりした時、悲観的に考えて落ち込み、それを引きずる人もいれば、すぐに立ち直る人もいます。これは認知の違いから生じています。

 

例えば、下記のような状況を例に挙げて、認知と感情、行動の関係を見てみましょう。

(出来事)仕事の納期が間に合わなかったので、上司に謝罪のメールをするが返信がなかった。

(認知)「上司は怒ってメールを返してくれないんだ…」

(感情)落ち込み、自己嫌悪、憂うつ

(行動)その上司とのコミュニケーションを避ける

 

図の考え方だと、「上司とのコミュニケーションを避ける」というマイナスの結果になってしまいます。しかし、もしここで「上司がメールを確認していないだけかもしれない」という別の認知をした場合、感情や行動も変化する可能性が高くなります。

 

つまり、出来事を「どう認知するか」で感情や行動が変わるため「認知」と「行動」、そして「感情」は密接に関係していると言えます。

認知の歪みが起こることで生じる、つらい感情や憂うつ感を軽減するために、認知や行動の変容を促すのが認知行動療法の基本的な考え方となります。

ISSUE記事「支配されない/支配しない私でいるために」では、話し合いは自分とは何者かが問われる機会だという議論がされていた。そして、話し合いは自由であるための手法である、と。

 

しかし、自由であること、私が私でいることにはとても勇気がいる。自由でありたいと思いながらも、思考の癖で自分で自分を支配してしまう人は、意外に多いような気がしている。

日本の学校教育は「支配する」ことによって成り立っており、自分とは何者かという問いや、自身の思考を磨く機会に乏しいというISSUE記事の言葉の通り、真面目に先生や大人のいうことを聞いてきた人ほど、自由でいることを恐れ、失敗を恐れ、自責や自己肯定感が低い場合がある。それは本人に非があるわけではなく、根深い思考の癖によるものかもしれないのだ。

精神疾患の患者が増えている今、すべての人が相手と対等な立場で話し合いができるように、そして自分自身に支配されない自分になるために、根深い思考の癖がコミュニケーションにも大きく関係していることを理解しておきたい。

[参照サイト]

認知行動療法(CBT)とは?基本的な方法、効果やメリット・デメリット、療法の流れなどについて解説します。/ LITALICO仕事ナビ

監修 : 井上雅彦

 

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